はじめに
こんにちは!
先日、北海道の知床半島にある、知床五湖へ行ってきました。
今回は、知床五湖の魅力を余すところなくお伝えするとともに、
実際に訪れた私が役立つと思った情報をたっぷり詰め込んでご紹介します。
知床五湖とは
知床五湖は、北海道東部の知床半島にある一連の湖沼群のことで、5つの湖が集まっています。
世界自然遺産にも登録されており、手つかずの自然がそのまま残されています。
特に新緑や紅葉の季節は、湖面に知床連山や森林が映り込み、その美しさは言葉では言い表せません。
アクセス
知床五湖へは、ウトロ温泉から車・バスで約20分、片道700円で行くことができます。(斜里バス)
ウトロ温泉までは、女満別空港から車・バスで約2時間。
JR知床斜里駅からも、ウトロ温泉までバスがあります。(共に斜里バス)
- 斜里バス 知床線:http://www.sharibus.co.jp/rbus.html
駐車場は100台と十分なスペースがあります。
駐車料金は500円です。1
私が行った8月上旬は、車での駐車場待ちの列ができていたので、バスで行くのがおすすめです。
バス時刻表
以下に知床五湖行きのバスの時刻表(2024年4月28日〜10月31日)を作成しましたので、予定を決める参考にしてください。
必ず、斜里バスの公式サイトなどから、最新の情報を確認してください。
本数は1日に上り下り各6本と少ないので、朝なるべく早く出て、帰りのバスに一本遅れても良いくらいの予定で行くのが安心かと思います。
ウトロ温泉バスターミナル (発) | 9:10 | 10:15 | 12:30 | 13:35 | 15:10 | 16:15 |
知床自然センター | 9:20 | 10:25 | 12:40 | 13:45 | 15:20 | 16:25 |
岩尾別 | 9:26 | 10:31 | 12:46 | 13:51 | 15:26 | 16:31 |
知床五湖 (着) | 9:35 | 10:40 | 12:55 | 14:00 | 15:35 | 16:40 |
知床五湖(発) | 9:45 | 10:40 | 13:05 | 14:00 | 15:45 | 16:40 |
知床自然センター | 9:49 | 10:44 | 13:09 | 14:04 | 15:49 | 16:44 |
岩尾別 | 9:58 | 10:53 | 13:18 | 14:13 | 15:58 | 16:53 |
ウトロ温泉バスターミナル (着) | 10:05 | 11:00 | 13:25 | 14:20 | 16:05 | 17:00 |
ルートマップ
高架木道
- 往復1.6km(約40分)
通期で、無料で自由に散策できます。高架木道から見られるのは、第1湖のみです。
地上遊歩道
- 大ループ 一周3.0km(約1時間30分):五湖全湖が見られる
- 小ループ 一周1.6km(約40分):一湖と二湖が見られる
森の中の道を歩けるコースです。
知床五湖をじっくり楽しめます。
植生保護期とヒグマ活動期の2つの時期によって、散策の仕方が以下のように異なります。
植生保護期:開園(4月22日)〜5月9日 & 8月1日〜11月8日 (2024年)
散策料250円(小人100円)を払って、散策前にセンターで10分ほどのレクチャーを受講してから、ガイドなしで散策することができます。
ガイド付きのツアーは、この時期も任意で参加可能です。
ヒグマ活動期:5月10日〜7月31日 (2024年)
ガイド付きでの散策が必須になり、小ループコース約3500円、大ループコース約5000円のツアー料金がかかります。
事前準備・注意事項
服装や持ち物
服装
夏
- 日差しを遮る帽子
- 薄手の長袖と長ズボン
- 薄手の手袋または軍手(あると安心ですが、なくても大丈夫そうでした)
- 履き慣れた靴
冬
- 暖かい帽子
- 保温性のある上着と長ズボン
- 保温性のある手袋
- 履きなれた靴
持ち物
- 水またはお茶
- 虫除け
- 熊スプレー(あると安心。必須ではないです。)
- 携帯トイレ(遊歩道にはトイレがないので、どうしても不安なら。)2
帽子は、近くにある知床自然センターのアウトドアショップ(THE NORTH FACE)で買いました。
知床自然センターでは、長靴や熊スプレーなどをレンタルすることもできます。
クマ対策
まずは、ヒグマに出会わないことが重要
ヒグマに追われたり、襲われたりすることを避けるためには、
ヒグマに出会わないことが重要だそうです。
ヒグマに出会わないためには、以下のようなことをします。
- 手を叩いてならす
- 大きい声を出す
- 熊鈴や笛を鳴らす
手を鳴らしたり、声を出すことでも、ヒグマに自分の存在を教えられるそうなので、
熊鈴や笛を無理に買う必要はないでしょう。
もしクマに出会ったら
あわてずに、ゆっくりと後退していきます。
走って逃げると、追いかけてきてしまいます。
コースを戻っていき、戻る途中で出会う人にもクマの出没を伝え、一緒にフィールドハウスまで戻ります。
フィールドハウスに戻ったら、スタッフの人にクマの出没を伝えましょう。
また、もしクマに接近されて、もう襲われてしまうという場合は、
うつ伏せになって首を手でおおって守る体勢をとるそうです。
(⚠️詳細は必ず事前レクチャーをご参考ください⚠️)
クマが出没したら、地上遊歩道は閉鎖
また、クマが出没したらその日は地上遊歩道が閉鎖されてしまいます。
地上遊歩道に行く予定の方は、行く前に知床五湖のホームページで地上遊歩道の開放状況を確認されることをおすすめします。
五湖を実際に巡る
まずレクチャー
私は、8月の上旬に行ったので、ツアーに申し込まずに散策をすることにしました。
この場合、まず、知床五湖フィールドハウスで、手続きをします。
フィールドハウスに入ったら、まず、券売機で散策料250円を払って札を受け取ります。
置いてある申込書に「代表者氏名・住所・立入人数」を記入し、先ほどの札と一緒にスタッフの人に渡してください。
その後、約10分のレクチャーを受講します。
遊歩道を歩く上での注意点や、クマ対策などの動画を見ます。
食べ物を持ってきてしまった場合は、密閉できる袋をもらえるので、このときにその袋に入れます。
レクチャーは10分間隔で行われているので、予定は組みやすいかと思います。3
※10月下旬以降は20分間隔
※レクチャー受講の予約は不要です。(予約することも可能)4
期間 | フィールドハウス 開館時刻 | レクチャー実施時間 初回 | レクチャー実施時間 大ループ 最終 | レクチャー実施時間 小ループ 最終 | 実施間隔 | フィールドハウス 閉館時刻 |
---|---|---|---|---|---|---|
4/19 | 11:00 | 11:10 | 16:30 | 17:00 | 10分 | 18:00 |
4/20~5/9 | 8:00 | 8:10 | 16:30 | 17:00 | 10分 | 18:00 |
5/10~7/31 | 8:00 | ヒグマ活動期(ガイドツアー限定利用) | 18:00 | |||
8/1~8/31 | 8:00 | 8:10 | 16:30 | 17:00 | 10分 | 18:00 |
9/1~9/15 | 8:00 | 8:10 | 16:00 | 16:30 | 10分 | 17:30 |
9/16~9/30 | 8:00 | 8:10 | 15:30 | 16:00 | 10分 | 17:00 |
10/1~10/20 | 8:00 | 8:10 | 15:00 | 15:30 | 10分 | 16:30 |
10/21~11/8 | 8:30 | 8:40 | 14:20 | 15:00 | 20分 | 16:00 |
地上遊歩道(大ループ)からスタート
レクチャーが終わると、フィールドハウスの外に出ます。
フィールドハウスがゲートのようになっていて、レクチャーを受けなければ地上遊歩道に入れない構造になっています。
遊歩道に入って少し進むと、大ループと小ループの分かれ道があります。
左に行くと小ループ、右に行くと大ループになります。
私は、右側の大ループに行きました。
五湖
大小ループの分かれ道から進んでいきます。
木の板の道もあれば、
自然の中の道もあります。
案内表示は基本ありませんが、どこを歩けばいいかは、はっきりわかるので心配は不要です。
キノコを含めいろいろな植物が見られて楽しいです。
木が倒れて、根っこが見えています。
奥に(第)五湖が見えてきました。
それぞれの湖には、特別な名前はなく、数字で呼ばれています。
大ループの場合、5→4→3→2→1湖という順番に見て回ることになります。
こちらが五湖。初めに出会う知床五湖の湖です。
湖面が澄んでいて、森や空がキレイに映っていますね。
とても綺麗な青いトンボも飛んでいました。
四湖
五湖から先に進むと、右手に四湖が見えてきました。
木々の間から見る湖もまたいいですね。
こちらが四湖。雲に隠れていた知床連山が少し見えてきました。
また、知床五湖の特徴として、流れ入る川も、流れ出る川もないということに気づくかと思います。
これは、4000年前に知床連山の硫黄山の噴火の影響で起きた山崩れによりできた凹凸地形に、
地下水が溜まって湖になっているためです。6
三湖
第3湖は、周りをぐるっと一周する感じなので、色々な表情が見られて特に良かったです。
根元に穴が空いている木がありました。
インスタ映えする写真が撮れそうなスポットがありました。
また大きな岩がありました。
空と知床連山、知床の森が湖面に反射して、とても美しいです。
また大岩を見つけました。
木の実でしょうか。
三湖の浅いところを歩いているエゾシカを見つけました。
もののけ姫のシシガミみたいで神々しかったです。
クモの巣もきれいです。
こちらも三湖ですが、小島が見えて、また面白いです。
ヒグマがハチの巣をエサにしたので、ハチが活発になっているらしく、注意のサインがありました。
三湖を後にし、二湖に向かいます。
きれいなキノコを見つけました。
二湖
こちらが二湖です。
知床五湖で1番大きいそうです。
知床連山をアップで。
少し進んで、違う角度から見た二湖と知床連山。
二湖を離れるところで、大ループと小ループが合流します。
違うループの方に入って、逆走しないようにしましょう。
右奥が順路です。
一湖
先ほどの合流地点から進んで、一湖に向かいます。
一湖が見えてきました。
他の湖より、ひらけていて見晴らしがいいですね。
右奥に高架木道が見えてきました。
終わりが近づいてきました。
右に見えているのが、地上遊歩道から高架木道への入り口です。
高架木道
こちらの扉を開けて、高架木道に入ります。
クマが入らないようにするためか、しっかりした作りになっています。
扉を抜けて階段を登ると、回転ゲート(ロータゲート)があり、高架木道の方から地上遊歩道には降りられないようになっています。
高架木道の外側には、電気柵が張られていて、クマが登ってこないようにしています。
高架木道の外部下方にあるので、散策している人が触ってしまう心配はありません。
※高架木道だけ歩きたい場合
地上遊歩道には行かず、高架木道だけ歩きたい方は、
駐車場のすぐ横に、高架木道コースの入り口があるのでそこから入っていきます。
ここから入ると、地上遊歩道へは入れず、折り返すコースとなるので、注意してください。
引き続き、地上遊歩道からフィールドハウスに向かって歩きます。
知床連山の反対側に目を向けると、オホーツク海が奥に見えます。
知床半島の根元方向。こちらは、オホーツク海がよく見えます。
知床半島の先端にある知床岬方面。一湖も見えています。
知床連山を一望できます。
草原にある水たまりは、とても澄んでいました。
知床連山と世界遺産登録の木板
このような道を進んで来ました。
コースの終わりに近づいてきました。
スタート地点のフィールドハウス、パークサービスハウスに戻ってきました。
私は、写真を撮ったり、キノコや虫などまでゆっくり見ていたので、約2時間半かかりましたが、
すんなり進めば、1時間半から2時間で大ループを見回れると思います。
知床五湖パークサービスセンター(売店・休憩施設)
パークサービスセンターには、売店と軽食があります。
コケモモサンデー
寒冷地や高山で取れる木の実のコケモモが知床では有名で、そのフロートがありました。
ソフトとソースの甘さと、サイダーのさっぱり感が絶妙で美味しかったので、ハイキングを楽しんだ後にオススメです。
鹿肉バーガーなどもあり、小腹が空いた人にも嬉しいです。
お土産だけでなく、帽子なども売っていたので、五湖散策の暑さ対策をしたい人はここで事前に買うこともできますね。
終わりに
5つの湖だけでなく、その間の森でも、色々な草花、虫、キノコ、岩などを見ることができたので、歩くのがとても楽しかったです。
知床五湖は、知床の自然の雄大さを身近に感じられる素晴らしいところでした。
事前の調査、準備をしっかりして、ぜひ知床五湖散策を楽しんで来てください。
参考になるサイト
- 知床五湖フィールドハウス:https://www.goko.go.jp/index.html
- 知床情報玉手箱(知床全体の天気やクマ情報など):https://center.shiretoko.or.jp/i-box/
- 一般財団法人 自然公園財団、https://www.npfj.or.jp/shiretoko/blog/1617/ ↩︎
- 「━━━トイレが心配なのですが・・・。
知床五湖遊歩道内にトイレがありません。心配される方も多いのですが、ほとんどの方が問題なく帰ってこられます。」、知床オプショナルツアーズSOT!、https://www.shiretoko.info/FAQ.html ↩︎ - アクセス|知床五湖 ↩︎
- FAQ|知床五湖 ↩︎
- アクセス|知床五湖 ↩︎
- 一般財団法人 自然公園財団、”知床五湖の原生林と開拓の歴史?自然保護の歩み” ↩︎